ゼットンは、横浜市と連携し、ナッジを活用した食品ロス削減の実証実験を実施
2022.05.11 地球の未来
ゼットンは横浜市と連携し、ナッジを活用した飲食店での食品ロス削減行動促進についての実証実験を2021年9月20日~12月12日に実施。その経緯と効果結果についてお知らせいたします。
■実証実験参加の経緯
日本では食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」は年間570万トン(2019年度)、このうち外食産業からも多くの食品ロスが発生。「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されて以降、外食産業では様々な取り組みが行われています。当社でも社会を取り巻く環境問題に積極的に向き合い、地域社会への発展に貢献するべく「Sustainability Strategy 」を策定、持続可能な経営に向けて各施策の検討・遂行をしてまいりました。当社運営店舗内における食品残渣の現状を把握し対策を検討することで今後の飲食店での食品ロスに繋げていければと考え横浜市資源循環局と公民連携協定を締結し実証実験に協力。
■現状調査とナッジ介入の食品ロス削減結果
今回の調査ではまず、どのようなものが食品ロスとして発生しているかを把握し、何を削減のターゲットとするべきなのかを知るために現状調査を行った。その結果、ライスの残渣が多かったこと、子供や女性の残渣量が多いことを把握。現状調査を踏まえ、主にライスに焦点を当てた削減対策を検討し、ナッジを活用した食品ロス削減行動促進の実証実験を5つ行い、特に効果が見られたナッジは①ライス量選択の必須化+メニュー表に量を表示することによる量の可視化②完食した子供を対象とした表彰及びお菓子のつかみ取りイベントの実施という結果となりました。
①ライス量選択の必須化+メニュー表に量を表示することによる量の可視化
・プレートやロコモコのライスの量の選択を呼びかけるPOPの設置やメニュー表に量を表示するシールを張ったことにより一皿における残渣率・ライス残渣率ともに減少傾向となった。
・女性のみのグループにおける残渣率は減少効果が見られた。
②完食した子供を対象とした表彰及びお菓子のつかみ取りイベントの実施
・完食を促す仕組みにして完食時に表彰状を読み上げ、お菓子のつかみ取りに挑戦してもらうというインセンティブを付けることにより残渣率が減少した。
■今後について
当社は、今回の実証実験で得られた成果を生かし、引き続き食品ロス削減に取り組んでまいります。
また、本取り組みを通じて、今後も横浜市様と協力し飲食産業の食品ロスの取り組みに貢献していければと思います。
実証実験の詳細は、下記よりご覧いただけます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/foodloss-nudge.html
<調査方法>
①お客様に提供したものに残渣があった場合、メニュー名と残渣の種類を記録し分類ごとに計量
②客席残渣と厨房残渣(不可食部)、未提供廃棄食材(可食部)を合わせて計量及び写真撮影
<現状調査の計測期間>
2021年9月20日~10月10日
<ナッジ介入期間>
2021年11月15日~12月12日
<介入ナッジパターン>
①ライス量選択の必須化+メニュー表に量を表示することによる可視化
②完食した子供を対象とした表彰及びお菓子のつかみ取りイベントの実施
③食べきりをテーマに食の大切さを伝えるための漫画イラストと内容に関連したピックの活用
④パン提供時のオペレーションの変更
⑤店舗からのメッセージを記載したマスクケースの活用
<実施店舗>
・コレットマーレみなとみらいアロハテーブル
住所:神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1−7 コレットマーレ みなとみらい 1F
TEL:045-664-7110
営業時間:11:00~23:00
・山手十番館 レストラン&カフェ
住所:神奈川県横浜市中区山手町247
TEL:045-621-4466
営業時間:1Fカフェ 11:30~16:00(LO15:00)
2Fランチ 11:30~15:00(LO14:00)/ディナー 17:00~21:00(LO 20:00)
※政府、自治体の要請・指示により営業時間変更の可能性があります
<ナッジとは?>
ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは、行動科学の知見(行動インサイト)の活用により、「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」のこと。ちょっとした仕掛けにより人の行動変容を促す手法。禁止・命令するのでは なく、人が自然に自発的に望ましい行動を選択するように誘導することを目的とした働きかけであり、 環境分野、健康、省エネなどさまざまな分野で活用されているものです。